Kindle雑感

Kindle を1週間ぐらい使った感想。Kindleを買おうか迷っている人、どのKindleにするか選ぶのに迷っている人に参考になれば。

買ったのは これ。値段は $379.00。通称は Kindle DXg らしい。Kindle を買った理由は、PDFをPCで読みたくなかったから。というのは、英語の学術書・技術書は無料でPDFとして公開されているものが多くて、自分は興味があるものを見つけてはダウンロードしてるんだけど、PC では読みたくないし、何百ページも印刷するのは気が引ける。そういうものを快適に読みたくて、Kindle を買った。実際割と快適に読めるので、そこは良かった。DX にしたのはA4サイズを読むのだったら、大きい画面の方がいいかなという理由。英語の本に限らず、論文や講義スライドでもちゃんと読めるので、読みたいのがあれば何でも Kindle にぶち込めばいいと思う。

使ってみて思う Kindle の一番良いところは、場所を限定せずに英語の本を Kindle で完結して読める点。Kindle にはデフォルトでオックスフォード英英辞典が付属していて、シームレスに英単語の意味を調べることができる。PCや紙で英語の文章を読むときの落とし穴として、ブラウザで英辞郎 on the web を開いて、わからない単語に出会ったら逐一調べるというスタイルがありがちだと思うが、PCの前にいると不思議なことに気づいたらネットサーフィンをして時間を浪費しているということがよくある。Kindle ならそういう時間の無駄を比較的回避できてると思う。また、場所を限定しないというのは、3G回線を無料で使えてカフェとか電車の中とかどこでもインターネットができる。バッテリーも充電せずに余裕で1週間はもつので、電源確保やバッテリー切れの心配もいらない。後、字が読みやすく、紙の本を読んでいる感覚。実際に使ってみると、液晶ディスプレイとは全然違う。

もちろん不満な点もある。最大の不満はPDFをKindle専用フォーマットに変換しないとテキストのハイライト、注釈機能、付属の英英辞典がシームレスに引くことができない点。PDFをKindle専用フォーマットに変換してくれるAmazon.comの変換サービスがあるのだけど、現状では図表の変換が崩れていてその付近ではひどいことになって読みづらい。

他の細々とした悪い点

  • いちいち動作が遅い
  • Kindle DXg の場合、日本語化ハックをしないと日本語が表示できない。他の Kindle 3G なら標準で日本語表示が可能らしい。
    • ハック気質のある人ならいいが、そうでない人なら苦痛を伴う作業
  • 画面を切り替えるとき、1秒くらい白黒が反転する
  • タッチパネルでないので、テキストに線を引いたり、注釈を付けるのにカーソル移動が必要で面倒

勝手にまとめると、まぁなんというか、こういう新しいデバイスにはわくわくさせられる。なんと言っても、無料コンテンツがあるのが楽しい。日本語でなら青空文庫著作権切れの作品が読める。ありがたいことに、Kindle 向けの青空文庫を快適に読むための青空キンドルというウェブサービスもある。英語なら ManyBooks.net, FreeKindleBooks.org でシャーロックホームズシリーズなどが無料だし、 Amazon.comKindle Store でもいくつか無料コンテンツがある。ダウンロードだけして読まないにしても、少なくとも所有欲は満たされるので気分がいい。電子書籍業界はどんどん広がりを見せてくれると思うし、今後も期待せざるを得ない。